2017/05/07

【怪しい】同人誌印刷のライブラとは?特定商取引法(特商法)に違反してないの?

ライブラ

同人界隈で「ライブラ」というサービスが話題になっていました。良い意味でも悪い意味でも。

同人誌を作った経験は1回しかない初心者ですが、Web制作は本職なので今回は「サイトから分かる情報」を中心にお伝えします。

ライブラとは?

ライブラとは、合同会社ライブラが2017年4月20日から始めた「在庫を持たない受注生産型の同人誌委託販売サービス」です。

通常の同人誌製本の過程は、1.原稿を用意、2.同人誌の印刷所へ入稿、3.自宅または会場へ郵送、4.イベントや通販で頒布となります。

一方でライブラは、1.原稿を用意、2.ライブラへ入稿、3.読者へ郵送、とたった3つのステップで完了するのが特徴。その便利さがTwitterはじめ、SNSで話題になっていました。

ただ、特定商取引法の表記(住所や電話番号)がない、会社・料金などの基本的な情報がないなど「実は怪しいサービスなんじゃ?」という声も上がり始めています。今回はその真偽について、考察していきます。

運営の「合同会社ライブラ」は怪しい会社?

拡散元のユーザーが「知り合いの印刷屋」と発言していることから、合同会社ライブラは「自前で印刷所を持っている会社」と推定できます。5月6日に開催された同人イベント「COMITIA120」では企業ブースに出展していたらしいです。

この合同会社ライブラが怪しいかどうかと言えば、私は怪しい会社だと思います。その理由を書いていきます。

1.会社情報、連絡先が画像

1番最初に目に付くのはフッターにある運営会社と連絡先。特に連絡先を画像にするのはお問い合わせさせる気がないってことですよね。普通の会社であれば、画像で実装するとしてもリンクでメーラーが起動するように設定します。

また、会社の名前以外に運営会社の情報が分からないのが異常です。index.cssに2017.4.15と書いてあるので、突貫作業でランディングページ(LP)だけ作り、COMITIA120に間に合わせたとも考えられますが、それにしても一企業としては雑です。

2.事前登録はメアド取得目的?

事前登録すると、抽選で1名にiPadをプレゼント、Twitterで「#ライブラ_事前登録」と呟くとダブルチャンスと記載があります。

怪しい企業に個人情報(メールアドレス)を渡して貰えるのはiPad。そして、そこら辺のユーチューバーより渋い当選人数1名。

そう考えると、ライブラ側には事前にサービスの利用人数が分かるなどのメリットがありますが、ユーザー側は対価とメリットが釣り合いません。

ライブラとGMO福岡支社は関係ある?

ライブラとGMO福岡支社が直接関係あるとは言えないでしょう。whoisで調べてドヤっていたユーザーがいましたが、その理屈で言えば大半のサイト・ブログの運営がGMOになります。ちなみにこのブログのドメインもGMOです。

繰り返しになりますが、現在判明している運営会社の情報は、1.合同会社ライブラ、2.同人関係の印刷所くらいです。

まぁ、その他の会社情報や料金が分からないので胡散臭いのは変わらないですけどね。

特定商取引法(特商法)に違法していないのか

現時点では、ライブラ事前登録フォームしか設けていませんので、広告(購入の申込みをすることができるもの)に該当しないと思っています。(あまり詳しくありませんのでこれ以上言及はしませんが)

ただ、違法うんぬんよりユーザーに不信感を抱かせているのがマズイでしょう。これからサービス開始するにもかかわらず、前評判がこんな有様では今後に期待もできません。

ライブラが今できる対処法としては、いち早く運営会社の情報を開示すること。広告に該当しなくとも、電話番号や住所を明らかにすることでしょう。印刷所は信頼第一なのでユーザーとの信頼を疎かにしないで欲しいです。

特商法に基づく表記につきましては、配送料金や決済方法などの掲載も必要なのですが、こちらはまだ現在準備中のため内容が確定しておりません。こちらは後日、確定次第掲載をさせて頂きます。

5月7日15時追記:公式Twitterよりお知らせがありました。であれば、登録フォームを設けるようなリスキーなことを急いでしなくても良かった気はします。

ライブラは成功するのか

サンクリ初参加で100部刷って30部余らせたわたしにとっては、すごく嬉しいサービスだと感じます。しかし、1番重要なのは「料金」でしょう

「1冊でも注文がくれば作れる」と書いてありますが、普通の印刷所で1部だけ刷るとかなり高く付きます。それはライブラも例外ではないと思います。「在庫を抱えるリスクも無い」とありますが、費用が倍以上かかったら本末転倒です。

在庫を抱えたくない=家に置く場所がないという方は倉庫に置いておける「BOOTH」を使えばいい話です。しかも、運営しているのはそこそこ信頼性のある「ピクシブ株式会社(piviv)」。

ですので、BOOTHのような既存サービスと差別化できる料金設定、そしてメアドや作品のデータを渡しても安全といえる信頼性、この2つをユーザーに主張できるかがライブラ成功の鍵となります。